司馬遼太郎記念館

対話ノート

開館カレンダー

休館日

開館時間:10:00~17:00
(入館受付は16:30まで)

休館日:毎週月曜(祝日の場合は開館し翌日休館)、9/1~9/10、12/28~1/4

TEL:06-6726-3860

FAX:06-6726-3856

入館料:大人800円、高・中学生400円、小学生300円(20名以上の団体は入館料が2割引)

大書架に置かれているノートに書かれたメッセージの一部をご紹介します
(このページは毎月初めに更新、前月のメッセージを掲載しています)

2025年6月

 子供とふらりと立ち寄りました。たくさんの本を見て、子供も感動したようです。本の探検だよーと楽しそうでした。
 近くの布施高校に用があり、いつか来たいと思っていたこちらの記念館に立ち寄りました。
 亡き父が大好きたったこともあり、父の本棚から拝借して、中学生のころから司馬作品を読んでいます。『坂の上の雲』『峠』『菜の花の沖』。すばらしい作品群をひとまわりして、やっぱり一番好きなのは、最初に読んだ『燃えよ剣』です。
 ほんの城塞の中で、ひととき日常を忘れることができました。
 日本語が分かったら、彼の作品を理解できるのに。次回来ることができたら、そうできていたらいい。
 ここは穏やかな気持ちになれる場所であり、グレーのコンクリートとナチュラルな庭がある。本当に好きです。 (原文英語)
 一生の中で最もたくさんの作品を読ませていただいた作家が司馬遼太郎です。
 読んでいるだけで落ち着き、ワクワクし、あっという間に時間がたっていました。なにげなく手に取って開いたページを読むだけで、世界に入り込める、私に合った作品達に感謝したいと思います。
 『風神の門』を本屋で買い、立ち読みしながら家に帰ってしまった、家に帰るのが待ちきれなかったことを思いだします。
 私の生後2ヶ月の頃、この世は21世紀に入りました。
 今私が見つめている21世紀は司馬遼太郎が見たかった期待した世界になっているのか?……残念ながらまだ私には、人間が自然より偉い立場にいると思い上がっている側面がどうしても見えてしまう。でも悪いことばかりじゃなくて、みんな未来に期待して目標を掲げて頑張っています。輝かしい世界はあります。
 ぜひそちらから、覗いてみてください。
 中学生の時、知らない言葉に四苦八苦しながら『国盗り物語』を読んだことを思い出しました。
 大阪に来てから、ずっと訪れたかった場所に来ることができました。
 もう一度、時間をとってゆっくり作品を読みたいと思いました。歴史を学ぶきっかけをくれてありがとうございます。
 私は設計事務所に勤務しています。安藤さんの建築を再び体感したいと思い、本日訪れることを決めました。静寂で光と緑と司馬先生の膨大な蔵書に囲まれたこの空間は、とても特別な場所だと思います。司馬先生の作品に心うたれた多くの声が、この記念館を訪れて、何かを感じ、心にきざんで帰るということを、このノートを通じて強く感じました。すばらしいこの記念館がこの先もこの場にあり続けますように。建築をもっと学び、またこの場を訪れたいと思います。
 僭越ながら、大学院の卒論は司馬遼太郎について研究し、おかげ様で去年修士学位を頂きました台湾人であり、幕末歴史の大ファンです。素晴らしい小説をたくさん恵んでくださった司馬遼太郎先生への感謝と尊敬を込めて参りまして、ご執筆の書斎、安藤忠雄先生がお建てになった記念館、史料と資料と司馬遼太郎先生についての展示、想像より遥かに感動いたしました!
 光と影の隙間で、本に囲まれて、現在と歴史のトンネルの中で改めて歴史の道を歩くという実感を得ていました。とてもありがたい勉強になりました!
 先生方と違う、私はただ名無しの小人物ですが、得た何かを残せる人になりたいと思います。 (原文ママ)
 司馬先生の本を通して日本について深く知りたいと思うようになりました。
 私は今、父が50年ほど前に自分のお小遣いで買い集めていた本を譲り受け、大切に読んでいます。当時、小中学生だったそうです。
 父との会話も司馬作品を通しとてもはずんでいます。自分が大人になり、ようやく父の価値観や大切にしている心情は、先生の作品を読むと心に浸み渡るように感じ理解するようになりました。
 先生の「二十一世紀に生きる君たちへ」というメッセージはまさに私たち21世紀に生きる人間の問題そのものを定義していると強く感じます。AIが発達し、私たちは自分で考えることをしなくなりました。また、今、日本だけでなく世界で民族間の摩擦や争いが絶えません。
 私は自分の国に誇りをもつほど、この美しい日本をこの先も守っていきたいと強く願いますし、文化を継承していきたいと思っています。その努力も惜しみません。
 しかし、その一方で心が閉鎖的になり、日本にも多くやってくる移民について複雑な心境です。先生は、「自分に厳しく、相手にはやさしく」。この人を思いやる心を訓練して、自己を確立せねばならないとおっしゃいました。そして、この根っこの感情が自己に根付けば、他民族へのいたわりもわき出てくると…。
 今の世の中は、日本にとどまらず、世界中で同時に自国のアイデンティティまたはナショナリズムを意識する人々と、それに対する人々が対峙する構図が出てきています。
 先生のメッセージはまるで今の世の中を予言したかのように言い当てていると思いました。
 今日、先生の言葉を読み、改めてこの先どう生きていくか考えるきっかけとなりました。
 簡単に答えが出せるものではありませんが、自己を確立する努力を積み重ねていこうと思います。
 時間とともに表情を変える本棚のこの空間がとても素敵で、ずっとずっと座っていたくなります。知識って、無限で、尊く、美しいものだと感じました。この空間、大好きです。
 高校生の時に訪れ、今や大学4年生。あの時は何も分からず、本に囲まれたこの空間、外から眺めるあの書斎だけインパクトに残っていました。本を読むようになってから訪れるこの場所は、違った見え方をします。時が経ったらまた身に来たいです。 
 いろいろな作家の本を人生数十年読んできましたが、『坂の上の雲』ほど引き込まれた本はありません。ストーリーはもちろんですが、時に添えられる余談のおもしろいことといったらないです。これだけの蔵書の学識が背景にあって、付け加えられるのだと、本日は先生の脳の中を見たような気がしました。いつか訪れたいと思っていた記念館の本の世界に触れることができ、幸せを感じています。
 ここにくるのは、2度目です。初めて来たのは20才のときでした。あれから6年たって、この空間に入ったとき、以前きたときよりも感動しました。それは、この建築が素晴らしいものであることもありますが、何よりも、20才の時に見た光景も変わらない姿でそこにあることです。
 施設の方の行き届いた管理と手入れ、愛され続ける司馬さんの魅力などのおかげなのだと感じます。僕は6年たって、学生から建築の設計者になりました。この建築のすばらしさは、安藤さん、司馬さん、見学者、街の人たち、施設の方の、たゆまぬ努力で年月をかけた思いの連続なのだと思います。永遠の輝きを、ガラスの向こうから感じました。