作品について(6~10位)
6位 『花神』(新潮文庫、全3巻)
長州の村医から緒方洪庵の適塾に学び、洋式兵学の指導者として討幕軍を率いた村田蔵六(大村益次郎)。すぐれた技術が人間の運命まで変えてゆく。
幕末の変革の時代を背景にその生涯を近代医学の黎明期とともに描く。
1969(昭和44)年~71年、「朝日新聞」に連載。
7位 『国盗り物語』(新潮文庫、全4巻)
強烈な野望と機略、知略、才略を駆使し、美濃一国を手にした斎藤道三。自らの正義を信じ、中世的秩序を破壊し、近世を創造する先駆者となった。その思想は娘婿の織田信長と甥の明智光秀にひきつがれる。
1963(昭和38)年~66年、「サンデー毎日」に連載。
8位 『菜の花の沖』(文春文庫、全6巻)
淡路島に生まれた嘉兵衛は廻船問屋高田屋を興す。商品経済が精密化した江戸後期、蝦夷を拠点に北方の漁場を開く嘉兵衛は日露の紛争に巻き込まれロシアへ。捕虜の身となりながらも両国の和平のために尽力する。
1979(昭和54)年~82年、「サンケイ新聞」に連載。
9位 『関ケ原』(新潮文庫、全3巻)
秀吉の死から始まった徳川家康の野望。それを阻止すべく立ちあがる石田三成。2人の虚々実々の駆け引きに諸侯たちもまた保身と利のために動く。天下分け目の関ヶ原の戦いを壮大なスケールで描く。
1964(昭和39)年~66年、「週刊サンケイ」に連載。
10位 『世に棲む日日』(文春文庫、全4巻)
幕末、封建制度をつきくずし、幕府を倒す主力となった長州藩。この藩を最大の革命勢力に変えたのは、吉田松陰という一人の若者の言動だった。松陰の思想をうけついだ高杉晋作は、革命家となり行動を起こす。
1969(昭和44)年~70年、「週刊朝日」に連載。