企画展「『坂の上の雲』にみる陸羯南」
【会 期】2016年11月1日(火)~2017年3月5日(日)※会期を3月5日(日)まで延長しました
司馬遼太郎は明治のジャーナリスト、陸羯南のことを「明治後期の代表的な知識人として、もっと研究されていい人物」と評価していました。羯南は、正岡子規の生涯を支え続け、子規が「これ以上に徳のある人物はいない」と表現したよき理解者でした。『坂の上の雲』『街道をゆく』などの作品で取り上げています。
羯南のもとには多くの才人が集まり、司馬遼太郎はその魅力を〝磁場〟とよびました。羯南のことや〝磁場〟を作る人間とは、についての研究を、新聞記者時代から親交のあった故青木彰氏(筑波大学教授)に呼びかけました。青木氏は司馬遼太郎の没後、羯南研究を志しますが、道半ばに病没、その遺志が教え子たちに受け継がれています。
展示では、青木氏にあてた司馬遼太郎の手紙や、『街道をゆく』や『この国かたち』の自筆原稿、羯南の自筆原稿や遺品などを通して、司馬遼太郎が描いた陸羯南への思いとその人物像を浮かび上がらせます。今回は特別に、司馬遼太郎が『街道ゆく北のまほろば』の取材時にみた羯南自筆の漢詩とそのときの様子を伝える写真を展示します。
ホールでは、展示に関連した映像「司馬遼太郎が遺した言葉 正岡子規について」上映時間15分を上映します。(11時から毎時0分に上映)
【主な展示資料】
・司馬遼太郎自筆原稿「北のまほろば」第9回「人としての名山」の章
・司馬遼太郎自筆原稿「この国のかたち」第75回「徳」の章
・司馬遼太郎の青木彰氏宛書簡、はがき
・青木彰氏の「陸羯南」研究ノート(個人蔵)
・陸羯南五言絶句漢詩〝名山詩〟(一般財団法人養生会蔵)
・陸羯南自筆原稿「新聞紙條例改正案」(弘前市立郷土文学館蔵)
・陸羯南遺品(名刺、印、文箱など)(弘前市立郷土文学館蔵)
・新聞「日本」創刊号(個人蔵)
・「日本」発行停止はがき(個人蔵) など
【展示小ケース】
・司馬遼太郎自筆原稿「風塵抄」
・「日本」領収証、割引券 など
陸羯南(くがかつなん) 1857(安政4)年~1907(明治40)年
弘前生まれ。本名、実。明治時代のジャーナリスト。新聞「日本」を創刊。主筆兼社長。政党の機関紙でなく、利益を目的としないことを第一義とし、日本の文化や伝統の保存を唱えた。
これまでの企画展開く
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