企画展 司馬遼太郎の自筆原稿と対話する
パソコンで文字を書くことが当たり前になった今、自筆文字が持つ「個性」が忘れられつつあります。今回の展示では、司馬作品の原点ともいえる自筆原稿をたっぷり見てもらい、推敲やペンの筆致から作者のどんなメッセージが浮かんでくるのか、自筆原稿との対話を楽しんでもらう企画展です。
1960年代から90年代までのエッセイの原稿を並べました。司馬遼太郎の推敲は色鉛筆を使いカラフルに文章を練っていきます。いつごろからこのスタイルがはじまったのか、原稿でその変遷をたどってもらえたらと思います。
また、昨夏見つかった、存在しないと思われていた『竜馬がゆく』と『坂の上の雲』の原稿も特別に展示します。『竜馬がゆく』のラストシーン、竜馬が暗殺される場面を描いた「近江路」最終回、『坂の上の雲』の「まことに小さな国が、開化期をむかえようとしている」という書き出し部分を自筆の原稿で見ることができます。
これらに加えて、『空海の風景』『風塵抄』『城塞』の原稿、司馬遼太郎の色紙、絵画や題字、風間完画伯の装幀画、岩田専太郎、須田剋太両画伯の挿し絵などを展示します。
【開催期間】
2018年7月24日(火)~10月28日(日)
【主な展示資料】
自筆原稿《エッセイ》1960年代~1990年代
「長髄彦(ながすねひこ)の末流」(『司馬遼太郎が考えたこと1』に収録)
「千石船」(『司馬遼太郎が考えたこと10』に収録)
「モンゴル素描(2)草原の暮らしよさ」(司馬遼太郎太郎が考えたこと15』に収録)
「風塵抄(56) 新について」(『風塵抄』に収録) など
自筆原稿《小説》
『竜馬がゆく』最終回「近江路」の章
『坂の上の雲』第1回「春や昔」の章 など
自筆色紙
「うさぎ」(『司馬遼太郎が考えたこと1』カバー装画に使用)
「阿蘭陀の時計師」(『司馬遼太郎が考えたこと15』カバー装画に使用)
自筆絵画
「アムステルダムの河畔」(『司馬遼太郎が考えたこと5』カバー装画に使用)
「居庸関(きょようかん)」(『司馬遼太郎が考えたこと10』カバー装画に使用)
挿し絵
『竜馬がゆく』挿し絵 第904回「三都往来」(岩田専太郎氏画)
『坂の上の雲』文庫(新装版)第8巻 装幀画(風間完氏画)
【展示小ケース】
自筆原稿『城塞』第4回「國松」の章
挿し絵『城塞』第105回「重成」(三井永一氏画) など
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